台北の街の中を散策していて、ふと入り込んだ住宅街に強く惹きつけられました。南国の植物の影が映し出された住宅街の塀。マンションの一室のベランダからは植物の蔓が顔を出し、通り過ぎる家々の格子窓にはさまざまな装飾が施されています。
建物と自然が調和し、そしてそこに垣間見える人々の生活。一つ一つの切り取られた小さな日常が美しくて、時間を忘れて歩き続けました。
この通りは青田街と呼ばれていて、かつて日本が台湾を統治していた時代に日本の高級官僚の居住地だった場所だそうです。ところどころに古い日本家屋が残っているのは、その名残でしょう。
閑静な日本家屋で楽しむ中国茶【青田茶館】
この辺りは古民家がリノベーションされて、新しいお店となっている例も多いようです。このエリアは、隣接する永康街、龍泉街と合わせて「康青龍(kāng qīng lóng)」と呼ばれ、古い建物を生かしたおしゃれなお店が点在しています。
青田街の住宅街にある茶藝館「青田茶館」もその一つで、古い日本家屋の空間で本格的な中国茶を楽しむことができます。
茶葉は台湾原産と中国原産のものがいくつかあって、今回は台湾の阿里山茶を飲んでみることに。店員さんが流暢な日本語で、茶器や中国茶の作法について説明してくれました。
一煎目は店員さんが淹れてくれましたが、二煎目以降は自分のペースでお茶を淹れます。自分の好みに合わせて茶葉の蒸らす時間を少し短くしたり長くしてみたり。
席は中庭に面していて、静かな空間でお茶と向き合うことができます。こういう風に茶道具一式を用意しての本格的な中国茶は初めてでしたが、とてもリラックスしてお茶を楽しむことができました。
青田茶館
106台灣台北市大安區青田街8巷12號