ヘルシンキの公園でスケッチをしていると、一人のフランス人に話しかけられた。彼も同じく一人旅をしているようで話が合ったので、その後一緒に夜ご飯を食べに行くことになった。
レストランの二十時の予約までまだ時間があったので、それまでの間、桃色の空気に包まれた街を歩きながら他愛のない会話をした。
過ごしていくうちに薄々感じていたけれど、彼は私に気があったみたいで、これはデートかな?と聞かれた。私は正直に、彼のことは友達以上には見れないし、ボーイフレンドを作ったり、そういうことに今は興味がないことを伝えた。
翌日はフェリーに乗ってスオメンリンナ島に行き、私が提案して、一緒にスケッチをして過ごした。彼と過ごす時間はとても自然体でいれて、不思議な感覚だった。
日本に帰ってから元の日常に戻ると、ヘルシンキでのあの二日間はまるで夢だったかのように感じた。
私は積極的に人との交流を求めるタイプではないけれど、一人旅をしていると時々こういう思いがけない出会いがあって、やっぱり旅は面白いなと思う。
About Photography
Location: Helsinki, Copenhagen Camera: Olympus Trip 35 Film: Kodak ULTRAMAX 400 35mm