暮らすように旅をする。

先日買ったラナンキュラス。部屋に生花があるだけで、ビジネスホテルの単調な空間がぱっと明るくなる気がします。

この週は水曜日と金曜日に午後に半休を取りました。水曜日は仕事が終わってから五稜郭タワーへ夜景を見にいきました。

五稜郭タワーの後は、市電に乗って谷地頭温泉へ。肩こりがひどかったので、大きな湯船にゆっくり浸かりたくて。

入浴料金が460円という安さで、地元の方も多く訪れているようでした。次の日起きたら体が軽くなってて、体を温めるのはやっぱり大事だなーと実感。

谷地頭温泉に行く途中に明かりの灯った建物を見つけて、調べてみたらカフェのようでした。気になったので温泉の帰りに立ち寄ってみました。

クラシック音楽と、時計の秒針がカチカチと響く店内。心地よい静寂に包まれた空間で、本棚にあった長田弘さんの本が目に入り、手に取ってみました。

記憶は、過去のものではない。それは、すでに過ぎ去ったもののことではなく、むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。とどまるのが記憶であり、じぶんのうちに確かにとどまって、じぶんの現在の土壌となってきたものは、記憶だ。（長田弘『すべてきみに宛てた手紙』）

人はいつか忘れてしまう、その「忘れる」ということに漠然とした恐怖を抱いていた時期がありました。忘れてしまったら、その人や出来事がなくなってしまうのではないかと。

当時付き合っていた恋人にその話をしたら、「忘れるという字は、心が亡くなる、と書くんだよ。だからたとえその人や出来事を思い出せなくなっても、〇〇ちゃんの心には存在し続けるんじゃないかなぁ。」そう教えてくれたことを思い出しました。

次の日は、大三坂ビルヂングの中に入っているコワーキングスペースにお邪魔しました。この建物は、大正時代の建築をリノベーションした商業施設で、この他にもホテルやカフェといった個人のお店が入っているみたいです。

アンティークのインテリアとドライフラワーが建物と調和していて、居心地の良い空間でした。こんなに歴史のある建物の中で、仕事できるのはとても幸せ。

夜はシェアオフィスのオーナーに教えていただいたバーに行ってみました。地元の方や、出張で来ている方など、他のお客さんと他愛のない会話を交わしながら飲むお酒がとても美味しかったです。人の温かさに触れた一日でした。

金曜日は午後に仕事を切り上げて、一足早いクリスマス。好きなおつまみを用意して、ホテルの部屋で映画を観ました。人肌恋しい季節ではあるけれど、思いっきり自分を甘やかすクリスマスも悪くない。

ずっと大人になったらやってみたかったこと、一人でホールケーキを食べること。

周りの方々に支えられながら、今年も一年を無事に終えることができそうです。来年も色々な場所を訪れて、自分の視野を広げられたらいいな。