March 10, 2024

白霧に包まれた森に迷い込んだ、箱根の一日。

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久しぶりに経験した東京の朝の満員電車。人混みに揉まれながら、ようやく新宿駅へ到着。リモートの生活に慣れてしまった自分には、朝の電車通勤はもう無理だろうなぁと思う。新宿から小田急の特急列車に乗り換え、二時間弱で箱根湯本駅へ到着しました。

箱根に来たのはいつぶりだろう。大学時代、東京に遊び行った時に一人で箱根へ日帰り旅行したんだっけ。妹が今年から箱根で働き始めたので、様子見も兼ねて会いに来ました。

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妹と合流し登山鉄道に乗車。日本でも有数な山岳鉄道で、途中スイッチバックを繰り返しながら急勾配の斜面を登っていきます。山の奥へと入っていくにつれて、辺りがどんどん霧に包まれてきました。

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宮の下駅で下車し、ランチのお店へ向かいました。プリフィックスのランチのコースで、前菜・パスタ・デザートを自由に選ぶことができます。写真は、白株と唐墨のパスタで、ほっくりした株が美味しかったです。

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料理の味はもちろんのこと、お皿にもこだわりが感じられるお店でした。デザートにオーダーした庭園仕立てのティラミスは、スコップの形をしたスプーンに思わず微笑んでしまいました。遊び心も感じられる一品です。

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お腹いっぱいになって、お店を後にすると、ますます深い霧が立ち込めていました。

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午後はポーラ美術館へ。晴れたら彫刻の森美術館に行く予定だったのですが、生憎の雨だったので、室内で鑑賞できるこちらの美術館へ予定を変更。大きなガラス窓に映し出された白霧の景色が、切り取られた絵画の一風景のようでした。

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企画展を観終わって、外の遊歩道を歩いてみることに。霧雨が静かに降り続ける中、森の奥へと進んでいきます。数メートル先はもう真っ白。声も体温も、この深い霧の中に吸い込まれてしまいそう。

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絵の具で塗り潰したような変わった模様をした木も。この霧の世界を歩いていると、木々の枝に滴る雨の水滴が宝石の花のように見えました。別の世界に迷い込んだような気分。

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箱根湯本に戻ってくると、辺りはすっかり暗くなっていました。お店の提灯の明かりが灯され、街灯に照らされた梅の花がぼんやりと暗闇に浮かび上がっています。夜の温泉街は風情がありますね。

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温泉で疲れを癒した後は、お風呂上がりのノンアルコールビールで乾杯。

本当は日帰りで東京に戻るつもりだったのですが、帰るのが面倒になり、朝まで空いている休憩室で夜を明かすことに。妹とはここでお別れ。

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翌朝は、温泉施設の近くにあった玉簾神社に寄ってから東京に戻りました。

何本にも枝分かれした滝の水が落ちる姿はとても美しくて、清らかな気持ちになりました。長い年月を経て今の姿になったのだなぁと考えると、人間の生きられる時間というのが如何に限られているか、実感させられる。

休憩室のリクライニングシートが最高に寝心地が悪くて、ほとんど寝られませんでした。大学生の頃は貧乏旅行ばかりで、安いドミトリーに泊まったり、海外の空港で夜を明かしたり、本当にどこでも寝れたのですが、もうあの頃のようにはいかないんだと、少し複雑な気持ちになります。

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これは早咲きの桜かな?春がもうすぐそこまで来ていますね。

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玉簾神社の近くの湧水をいただいてきたので、帰って来てからこのお水で珈琲を淹れてみました。こんな寝不足の状態で、夜の予定まで身体持つかな?と若干心配になりつつも、このぼんやりとした気分で飲んだ珈琲の味が少し特別に感じました。